Step2:関連分野を調べまくる

 

大まかなテーマが決まったら、次は関連分野について調べまくってみましょう!自分だけのオリジナルの研究をするためには、まずはその分野ですでに考えられていること、やられていることを可能な限り、幅広く知る必要があります。この後の研究の進めやすさも全てここに掛かっています。関連分野をしっかりと知ることで自分の立ち位置が分かり、目的も明確になります。そうすると自分がどういう方向に進んでいくべきか、自ずと明確になるので、研究が圧倒的にやりやすくなります!そして、これこそが、「趣味」の枠から一歩踏み出して「研究」という領域に入る大事なステップなのです。

本業として研究をしている人たちもこのステップは特に時間を掛けて検討します。しっかりと研究背景を調査しておかないと、せっかく自分が新しく考えたと思っていたものも、実はすでにやられていたものだった、という事がよくあるのです。なので、自分のやっていることが世界で初めての試みだという事を証明するためにも、よく調べるという事が大事なのです。実際、研究者が自分の成果を発表する場である学術論文などでもこの「研究の背景」という項目はとても重要となります。

本来の研究としては、関連分野の研究を調べる場合は学術論文や特許などの文献を調べていきますが、ここでは「趣味としての研究」という立場上、必ずしもそうでなくても構わないと思います。いきなり論文や特許を調べていくというのもハードルが高すぎると思いますので、まずは取り組みやすいインターネット上の情報や書籍なんかでも良いと思います。ただし、インターネット上の情報収集については注意が必要になります。今の世の中、ほとんどの情報がインターネット上で手に入りますが、それが「正しい」という証拠は、自分でしっかりと判断しないといけません。

それも踏まえて、まずは簡単に調べられる便利な方法として下記をご紹介します。

〇「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」で調べる

皆様ご存知の通りかと思いますが、Wikipedia( https://www.wikipedia.org/ )は本当に様々な情報が載っていてとても便利ですよね。知らない単語を調べるのに最初の取っ掛かりとしてこれを使うのは非常に便利だと思います。ただし一つ注意しないといけないのは、Wikipediaは「誰でも編集が出来る」という点です。この手法はとても賢く便利で、このお蔭で世界中の様々な情報が集まるようになったところもあります。一方で、この手法の性質上、書いてある全ての記事が正しいかどうか、判断が出来ない部分もあります。全ての記事が学術的な根拠に基づいているかどうか、確固たる保証がない、という点を踏まえて情報収集を行う必要があります。まず大まかに内容を知る為にWikipediaを使うのはとても良いと思います。しかし、それで全てが解決できたと思わず、内容をある程度知る事が出来たら、さらに別の視点から同じ内容について調べるという姿勢が大事です。一番最初に何かを調べる際は、どんなキーワードを使って調べれば良いかすら分からない事が多いと思います。そういう際にはWikipediaは非常に役に立ちます。Wikipediaでまず情報を調べて、大まかに内容が分かると、次にどんなキーワードを入れていけばさらに深い内容が調べられるか徐々に分かってきますので、ここで終わらずにさらに深堀して調べて行きましょう。

〇インターネット上でキーワード検索する

Wikipedia以外にも、今や世界中に様々なサイトがあります。自分が調べたいキーワードを入れて普通に検索するだけでも、非常に多くの情報が得られます。沢山の情報を色々なサイトから仕入れる事で、より深く内容を詰めていく事が出来ます。但し、本当に沢山のサイトが出てくると思うのですが、その際にどういう基準で信頼できるサイトを見つけるかというと、まず最低限、そのサイトで提供している情報の根拠となる引用元があるかどうかを調べると良いと思います。学術論文なり、国の機関なり、信頼できるデータを提供している組織の情報を引用しているサイトであれば、それなりに根拠が明確だと思います。そしてある程度調べる事に慣れてきたら、最初から自分でそういう国の機関なり信頼できるデータを提供している組織の情報を調べに行く事も良いです。例えば、天文関係で調べたければJAXAやNASA、コロナウィルス関係を調べてみたいというのであれば厚生労働省のHPなど、といった具合に。最近では国のHPも一般の人向けに分かりやすく解説しているコーナーなどもあるので、結構便利です。

あと一点注意が必要なのは、インターネットは誰でも気軽に調べる事が出来る、という利点から派生した課題として、多くのサイトで実は同じ引用を使っている、というところがあります。調べごとをする時、引用元が1件だけだと信頼性が足りないので、複数の引用元から情報を集めようとするのが普通なのですが、いざ色々なサイトを調べてみたら、よくよく見ると、皆Wikipediaの情報をそのまま引用していただけ、という事も、結構よくあります。ですので、どこから引用した情報なのか、はっきりとわかるサイトを探して情報を集めるようにすると良いと思います。

〇Google Scholarを使って調べる

学術論文など、少々難しいものではありますが、信頼のある情報を探したいときに便利なのが、Google Scholarです。通常のGoogle検索と違って、学術系の情報のみを検索してくれる、非常に便利なツールです。Googleで、Google Scholarと打つと出てきます( https://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja )。学術論文などは通常、購入しないと読めないのが一般的だったのですが、最近ではオープンアクセスな論文も多く、Google Scholar上でもちゃんと読める論文が結構ヒットします。もし探したい分野的に良いのがあれば、信頼できるデータを探す場所としては非常に有用だと思います。

〇書籍を探す

あとはやはり、書籍を実際に買うのも良い方法です。勿論、書籍だからと言って100%正しい情報というわけではないのですが、書籍として出版されている以上、ある程度の信頼性は保証されていると思って良いと思います(勿論それでも情報が誤っていたり、古かったりする事もあるので、書籍一つの情報だけでOKという事はありません)。本屋さんに行って、自分が求めている情報が載っている本を探して、良いのがあれば実際に買ってみると、それだけで何となくモチベーションも上がったりするので、それも書籍の良いところかなと思います。僕は本が好きです。本を買うだけでやる気が出てくるタイプですので、そういう意味でも、モチベーションの維持にも本は役に立つ存在だったりします。

 

 

以上のような流れで丹念に調べものをしていくと、ある程度しっかりとした情報が得られると思います。科学者の常識ですが、「良い意味で全てを疑う」というところがあります。情報一つ調べるのにも、それが本当に正しいのかどうか、細かくチェックしていきます。そして自分が行った実験結果についても、それが本当に正しいのかどうか、客観的にチェックしていきます。そうやって、主観的な判断に流されず、客観的な事実として正しい情報を得ようとするのが科学者のやり方なのです。「疑う」というとちょっとネガティブな印象があると思うのですが、正しく知る為に疑うので、そこまでネガティブではないのです。そしてさらに重要な点は、疑った結果、自分のやった事が間違いであったことが判明した場合、すぐさまそれを素直に受け入れる、という姿勢を持つ点です。だから科学者はある意味気持ちの良い人間達だと思うのです。主観に流されず自分の間違いを素直に認めます。その気持ちがあるから常に疑うことが出来るのかもしれませんね。より正しい真実を見つける為に自分自身さえ疑い続ける。それは、ポジティブな気持ちを持ちながらネガティブな行動を取るようなもの、とも言えるかもしれませんね…。科学というのもそもそもそれが根本にあったりします。間違いを受け入れて進歩していくもの、それが科学なのです。

というわけで、テーマが決まったら関連分野を徹底的に調べる。それが出来れば自分の中の目標が徐々に見えてくるようになります。

 

 

Step1へ  目次に戻る  Step3へ